将来の資産形成と保障を両立させたい——そんな人に注目されているのが「変額保険」です。しかし、「投資」と「保険」が組み合わさったこの商品は、内容が複雑であることから、「よくわからないまま入って後悔した…」という声も少なくありません。
そこで今回は、変額保険の基本からメリット・デメリット、そして選び方まで、わかりやすく解説します。
変額保険とは?
変額保険とは、保険料の一部を株式や債券などで運用し、将来受け取る「死亡保険金」や「満期金(解約返戻金)」が運用実績によって変動する貯蓄性のある保険商品です。
- 変額終身保険:保障が一生涯続くタイプ
- 変額有期保険:保障期間が定まっているタイプ(例:10年、20年など)
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変額保険のメリット
1. インフレに強い
通常の保険は保険金額が一定のため、将来の価値が目減りするリスクがあります。しかし、変額保険は市場に連動するため、インフレへの備えになる可能性があります。
2. 運用益が非課税(一定条件あり)
保険の枠組みを使うことで、解約するまでの期間や満期金を受取るまでの期間の運用益が非課税になるケースがあります。これは一般の投資信託と比べた場合の大きなメリットです。
3. 万一の保障も確保できる
運用の成果にかかわらず、最低保障額(例:死亡保険金の最低保証)がある商品も多く、家族への備えもできます。
4. 保険料の払込を免除にできる特約がある
がん・心疾患・脳血管疾患などの所定の状態になると、以後の保険料を払わなくて良くなる特約があります。払わなくてよくなった後も積立効果は続きます。
変額保険のデメリット・注意点
1. 元本保証がない
通常の貯蓄型保険と違い、解約返戻金や満期金が元本割れする可能性があります。株や投資信託のようにリスク許容度が低い人には不向きです。
2. 手数料が高め
保険商品のため保障に掛かる費用が当然あります。その上で投資信託のように保険会社の手数料や運用管理費が差し引かれているため、投資効率としては割高な場合があります。
3. 運用先は自分で選ぶ必要がある
投資信託のように複数のファンドから自分で選ぶ必要があり、ある程度の知識が必要です。投資信託のような商品よりは比較的簡単ですが、初めての方はしっかりと確認して選びましょう。
変額保険を選ぶときの3つのポイント
1. 3つのポイント
- 最低保証の有無を確認する
運用がうまくいかなかった場合でも、どこまで保障されるかは必ずチェックしましょう。 - 自分で運用管理する意思があるか
変額保険は「ほったらかし投資」ではありません。最低でも年に一度は確認しましょう。 - 目的を明確にする
貯蓄?保障?両方?目的を明確にしないと「中途半端で使いにくい保険」になる可能性があります。
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まとめ:変額保険は“自分でコントロールする保険”
変額保険は「保険でありながら投資でもある」ユニークな商品です。知識と管理の手間を受け入れられるなら、将来の資産形成にとって有効な手段となります。ただし、がんがん運用をして増やしたいという人や保障が必要のない人はNISAや投資信託で良いと思います。大事なのことはしっかりと目的を整理して選ぶことです。
また、リスクを十分に理解しないまま加入してしまうと、「保険なのに損をした」という結果にもなりかねません。事前にしっかりと仕組みを理解し、必要に応じてFP(ファイナンシャルプランナー)や保険の専門家に相談することをおすすめします。