「貯金があるから保険は必要ないのでは?」
そう考える人も少なくありません。特に独身の方や家計に余裕のある家庭では、「毎月の保険料を払うくらいなら貯金で備えたい」と思うこともあります。
では、貯金が300万円ある場合でも保険は本当に必要なのでしょうか?
この記事では、貯金と保険のバランスと、緊急用資金として確保している場合の考え方を整理します。
貯金300万円と保険の必要性
貯金300万円は一見安心できる金額ですが、もしこのお金を病気やケガなどの緊急時に備えて確保している場合、自由に使えるお金ではありません。
そのため、貯金のうちどこまでが緊急時に使えるお金なのか十分に把握する必要があります。
入院や手術にかかる費用
健康保険があるので自己負担は3割です。さらに「高額療養費制度」を利用すれば、1回の入院・手術でかかる費用は数万円〜十数万円程度に抑えられます。
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がんや長期入院のケース
がん治療では先進医療や薬代など、保険が適用されない費用もあり、年間100万円単位の出費になることもあります。
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収入途絶のリスク
もし働けなくなった場合、生活費は貯金からまかなうことになります。
例えば毎月20万円の生活費が必要であれば、300万円の貯金でも15か月分しかカバーできません。
さらに、この300万円が緊急用資金として確保されている場合、実際に自由に使えるお金はもっと少なくなります。
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保険を検討すべきポイント
では、どのような場合に保険が必要なのでしょうか?
- 独身か、扶養家族がいるか
独身で実家暮らしなら貯金だけでも対応可能ですが、家族がいる場合は生活費や教育費が増えるため、保険での備えがある方が安心です。 - 生活費と収入のバランス
生活費が多いほど、収入が途絶えたときのリスクは大きくなります。 - 一度に出ていく費用に耐えられるか
例えば「がん診断一時金100万円」が必要になったとき、貯金だけで対応するのは負担です。この場合、保険を活用する方が安心です。
貯金と保険のバランスの取り方
貯金300万円があっても、緊急時用の資金として確保している場合は、保険を全くゼロにするのは不安が残ります。
ポイントは、急な出費をカバーする必要な保障にとどめることです。
- 医療保険:高額療養費制度を利用し病院へ支払う額の自己負担で十分
- がん保険:継続的な治療や収入の目減り分に備えておくと安心。
- 貯金:生活費6か月分は確保し、余剰は投資や資産形成に回す
💡 貯金は「生活基盤の安心」、保険は「突発的なリスクの備え」という役割を分けるのがポイントです。
まとめ
- 貯金300万円は安心できる金額だが、緊急用資金として確保している場合は自由に使えるお金ではない
- 長期治療や収入途絶のリスクには、保険で備える方が安心
- 保険は「急な出費に備える必要な保障」として、貯金とバランスを取ることが重要
「貯金だけで全てカバーする」のも、「保険だけに頼る」のも偏りすぎです。
大切なのは、資産と保険のバランスを意識して、将来の安心を確保することです。